”焦らしプレイ” Finch - What It Is To Burn
ヴォーカルのNateが(また)脱退したことにより3度目の解散を発表したFinch。
なんかまた次があるんじゃないかと思ってしまっているので個人的にはそんなに悲しみに暮れているわけではないんだけどいい機会なので名盤「What It Is To Burn」のお話をしようかと思ったわけであります。
Finch
まずは例のごとくバンドの紹介を。
フィンチ(Finch)はアメリカ合衆国カリフォルニア州テメキュラ出身のポスト・ハードコア・バンドである。活動期間は1999年–2006年、2007年–2010年、2012年–2016年。(Wikipedia引用)
情報少なひ。
これだけだとなんかあれなので少しジャンルについて雑談します。どうでもいい方はサーっとスクロールしてください。
Finchとかこの時期同じくらい人気を誇っていたThe UsedとかSoasinは「スクリーモの先駆者」とよく書かれていることが多いんだけどこれはちょっと違って、Wikiによると
1990年代前半に誕生したスクリーモは、21世紀という新しい世紀に入ると、今までの混沌としたサウンドに終始絶叫ヴォーカルが絡んでくるスタイルがスクリーモであったのに対し、ポスト・ハードコア的なスタイルであるスクリーム・パートとクリーン・パートを併用するバンドたちに使われるようになってきた。
とある。
これは筆者もずっと勘違いしていて、元は
スクリーモ(Screamo)=スクリーム(Scream)+エモ(Emo)
というわけではないみたい。詳しくはググって。
エモに特徴づけられる疾走感やポップなメロディラインにスクリーム、つまり絶叫するように歌うボーカルをさらに加えたものである。一つの曲の中に美しいメロディを歌うパートと絶叫するパートが混在していたり、曲ごとに分けるものとがある。いわゆる、ポスト・ハードコアと呼ばれるサウンドを奏でるバンドのことを言う。
これが00年代スクリーモバンドの特徴らしい。小ネタです。
mizuame-wataame.hatenablog.com
What It Is To Burn
1. New Beginnings
2. Letter To You
3. Post Script
4. Grey Matter
5. Perfection Through Silence
6. Awake
7. Without You Here
8. Stay With Me
9. Project Mayhem
10. Untitled
11. Three Simple Words
12. Ender
13. (Bonus Track) What It Is To Burn
Drive-Thruレコードから2002年3月にリリース。
叫び散らしてればいいってもんじゃない
筆者の音楽遍歴的にはFinchとかUsedとかはメタルコア/ポストハードコアを漁った後出会ったバンドである。
mizuame-wataame.hatenablog.com
最近のメタルコア/ポストハーコーからハマった俺としてはのっけから叫び散らしてサビは歌うがデフォなのしか聴いてなかったからThe UsedとかFinchとか初期スクリーモの歌って歌ってテンション上がって叫ぶスタイルが新鮮すぎる。
— ふみたか (@chachataka) 2014年3月3日
初期スクリーモって勘違いしてるのは許してあげて。
このツイートがどういうことか曲を聴いてみれば分かる。
#1「New Beginnings」
気持ちの良い歌いだしからキャッチーなサビ。
「スクリーモなのになかなか叫ばねぇな、これじゃあちょっと重ためのポップパンクのそれじゃぁ、、」と聴いていたら2番サビの盛り上がったときに、、
I TRIEEEEEEEEEEED!!!!!!!!!
おおおお!!!!
そこからは絶叫の嵐。焦らされた分(本人たちは焦らしてる気など全くないだろうけど)余計カッコいい。
続く#2「Letters To You」
叫んでいるのはサビ前の
Do you notice I'm gone
Where do you run to so far away
この太字部分をハモってるだけである。
絶叫の省エネである。言い方悪いかごめん。
当時叫んでれば叫んでるだけカッコいいと思っていたコアキッズの筆者が受けた衝撃ったらスゴかった。
#10「Untitled」
この疾走感とキャッチーで青臭いメロディはエモのそれである。それに時々焦らしスクリームが入ることでより際立つ。より響く。
ちょっと話は逸れるけど日本が誇るONE OK ROCKさんとか結構この辺影響受けてる気がして特に5th「人生×君=」以降この傾向が強い。
どうだろ?
リスナーを殺しにかかるEnder~What It Is To Burn
#12「Ender」
本編の最後を飾る壮大で美しいバラードチックな曲。
なんとこの曲、13分28秒と(とても)アウトロが長い。
mizuame-wataame.hatenablog.com
ちょっと長くね、、と思って待ってると最後のボーナストラック#13「What It Is To Burn」に繋がる。
これが名曲。名曲でアルバムタイトル曲がボーナストラックとかいう謎。
不穏なイントロからの
SHE BUUUUUURNS!!!!!!!
という歌い出しならぬ叫び出し。ここで一気に持ってかれること間違いなし。
絡みつくようなエモい歌い方のNate兄貴がエロい。
中盤以降のドラマチックな展開がこりゃまた。そして焦らしスクリームあり。焦らされろ。
最後に
Finchの代表作であり、ポストハードコア・エモの名盤でもある「What It Is To Burn」についてつらつらと書いてきました。いやぁ傑作だ。
普段メタルばっか聴いてる人もポップなロックばっか聴いてる人も聴いてみたら世界変わるかも。
また仲直りしてからの再結成待ってます。