綿飴と水飴

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140字にまとめられない好きな音楽のこと

『RockなのかRockじゃないのか』ONE OK ROCK - Ambitions

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巷ではTaka氏の例の「日本のファンが~」発言が各所で話題となっておりますがONE OK ROCK の黄色い新作のお話です。ワイドナショーでも取り上げられて松ちゃんが苦笑いしてたぞワンオクすげぇ。

 

Ambitions 初回限定盤(CD+DVD)

Ambitions 初回限定盤(CD+DVD)

 

 

ジャケットは相変わらずのダサさであります。愛らしい。ちなみにタイトルの「Ambitions」は「アンビションズ」と読む。「アンビシャス」と空目してTOKIOのアレが頭をよぎらないよう気を付けて。

\Be Ambitiousわが友よ/

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今作はゲストにAvril Lavigne5 Seconds Of SummerAll Time LowのAlex(海外盤 #5『Jaded』)を迎えるということでも話題に。人脈ヤバい。

 

ちなみに『One Way Ticket』ではLinkin ParkのMikeがプロデュースに参加してるとのこと。人脈ヤバい。

 

ツアーのゲストアクトもFall Out Boyミスチル。人脈ヤバい。

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 さて人脈ヤバいのも含め前作35xxxvから海外盤もリリースしてどんどんスケールが大きくなってるわけだけどここで言われるのが「ワンオク変わってしまった問題」である。Amazonの低評価意見はほっとんどこれである。

 

35xxxv Deluxe Edition

35xxxv Deluxe Edition

 

 

 

ワンオク変わってしまった問題

残響~、人生×君=から35xxxvという流れを見てもここからNiche~の頃のワンオクに戻るのを期待するのは無謀すぎる気がするがやはりファン心理としてはバンドには自分が好きだった時のままであってほしいと望むものである。その気持ちは分からなくもない。むしろ分かる。

 

 これから

 

 これ。変わってないのはToruの衣装のセンスだけじゃね()

 

今のは端折り過ぎたBefore-Afterだけどもこれだけ音楽性が変わったのだから「昔のワンオクが良かった、戻ってほしい。」というファンの気持ちも分かってあげて欲しい。スペースシャワーの特番でTaka本人も「僕も好きなバンドが変わっていくのには抵抗があった」と語っているシーンがあったのできっとその気持ちは分かっていると思う。安心してください。

 

と、このままでは懐古ファン擁護記事になってしまうのでアルバムの話に戻ります。

 

Nicheシンドローム

Nicheシンドローム

 

 

  

35xxxvからの「変化」とAmbitionsの「特徴」と「トレンド」

前作『35xxxv』からの流れだとブレイクダウンが盛り込まれたTake me to the topやシャウト・スクリーム満載のOne by Oneのようなポストハードコア的な曲が増えていくと予想していた人は多かったと思うんだけど今作にはあまり上記の要素が含まれていなかった。強いて言えば『20/20』の間奏にブレイクダウンがあるくらい。 

20/20

20/20

 

 かといって前々作の人生×君=ほど雰囲気が暗くなったわけではない。All MineHeartacheのようなしんみりバラードがないのも今作の特徴かもしれない。

 

さらに、疾走感のあるポップパンクテイストなSuddenlyMemoriesのような曲は『Start Again』くらいしかない。

Start Again

Start Again

 

 

なのに今作は雰囲気として明るいものが多い。「激しい」とか「速い」とかとは少しベクトルが違う。

 

さっきから無いもの無いものしか挙げてないので変化がないように思えるが、今作には「歌える」曲が多く見られる。

 

 

「はぁ?英詞ばっかで歌いにくいだろバカか」

「お前アンビションズも読めなかったくせに何言ってんだコロすぞ」

 

 

ごめんなさい。その「歌える」ではなくて、『We are』の「うぃーあーうぃーあー」のとことか『I was King』の「うおーうおー」「あーいわずきーんぐ」とか"みんなで楽しく"歌えるような箇所が多く見られる。サビでテンポを落として聴かせておいてみんなでシンガロング。

 


 


 

というようにミドルテンポな欧米ポップミュージックぽい曲が増えていることが前作との差であり今作の特徴である。増えているというか狙っている曲が圧倒的に多い。

 

実はこれ、海外でも同じ傾向のバンドが数多く見られる。イギリスのBring Me The Horizonが良い極端な例である。

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デスコアバンドとしてデビューした彼らではあるが、(一応閲覧注意)

 

最新作ではこれである。メンバーがほとんど変わってないのが驚き。ちなみに先ほどの『We are』を初めて聴いたときこの曲が頭をよぎった。

 

というような激しめのロックバンドがポップミュージックに寄っていくのはトレンドでもある。

 

サウンド面ではロックサウンドが抑えられてシンセが盛りだくさんになっていることから一部ではTakaのソロアルバムかよなんて声もあがっている。まあ確かにゴリゴリしたリフが聴けるのは『Start Again』くらいだし。

 

That's The Spirit

That's The Spirit

 

 

 

変わるということ

こうやって音も歌も大衆向けになって誰でも手に取りやすくなって新規顧客が増えるのが懐古ファンの気持ちを逆なでする要因の1つではあると思う。

 

そういったことも分かったうえでONE OK ROCK はこのアルバムを制作したと思う。Ambitionsは「野心・野望」という意味らしい。スペシャの特番見た限り売れるためにトレンドに乗ってやりたくないことをやってるわけではないように見えた。メンバー全員が良いものができたと言っていた。

 

ロックなのかロックじゃないかなんて音だけで判断できるものではないと思う。

 

ぜひ欧米でも成功してほしいと密かに願っております。アンビシャス!!!