綿飴と水飴

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140字にまとめられない好きな音楽のこと

『ドン底から愛と希望を』AL - 心の中の色紙

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更新頻度少なくて毎回「皆様いかがお過ごしでしょうか」とかしか書き始めれない僕をどうか許してください、皆様いかがお過ごしでしょうか。

ちなみに僕は音楽が無いと死んでしまいそうな毎日を送ってます。本当どうしようもねぇな。

 

そんな僕が最近頼りきっているのがALの1stアルバム『心の中の色紙』。聴き始めて半年もたっていないけど人生のベストアルバムの1枚になってる。

 

ALは元andymori小山田壮平(Vo/Gt)とシンガーソングライターの長澤知之(Vo/Gt)のプライベートで組んでいたバンドにこちらも元andymoriの藤原寛(Ba)、後藤大樹(Dr)を加えて2015年に現体制となり、2016年にこの『心の中の色紙』をリリースしている。

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荒々しく攻撃的で孤独や不安を全てをマイクにぶつけるような演奏が持ち味(だと思われがち)だった初期のandymoriのような姿はなく、それよりも、というは正反対のような肩の力が抜けたネガティブじゃなく、かといってポジティブとも言い切れない音楽を奏でている。日本語難しい。

andymori - CITY LIGHTS

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ドン底から愛と希望を

オープニングナンバー#1『北極大陸』、軽快なフォークソングだがヒヤリとする言葉が歌詞に散らばっている。北極大陸に行きつき、桜の木の下で程よいロープを首に巻き、とっくに見限った国旗に笑われる。過去との決別を感じるのは考えすぎか。

とは言えど 心から生きたさ常に 無理をして君たちと生きたさたまに

美しい愛や恋に生きたさたまに それなりに真剣に生きたさ常に

だけどBYE BA BYE BA BYE BA BYE BA BYE

 

続く#2『HAPPY BIRTHDAY』はゴリゴリのロックナンバー、ギャップ萌え。ツインボーカルの掛け合いが最高に最高。

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砂に書いた文字が波に消されても HAPPY BIRTHDAY

手紙の文字が色褪せた後に HAPPY BIRTHDAY

 

そして実験的なサウンドの#3『シャッター』、小山田壮平が「みんなすべてうまくいく」と歌ってくれるだけで救われる#4『メアリージェーン』と続き、イントロのリフが印象的なロックナンバー#5『風のない明日』、狂おしいほど好き。

「どうだっていいさと」言ってすぐ「どうしたらいい」と聞きまくる

今日も打ち上げの反省会で潰れちまうまで飲むのさ

 本当になんでこの人たちは俺の事こんなに分かるんだろうってくらい痛いところ突いてくる。毎日毎日、風のない明日のためにしょうもない会話を思い出しては反省会ですよ。どうしたらいいのさ。

 

長澤の弾き語り#6『15の夏』、ここから本格的に殺しにかかってくる。

 もう単純なんかじゃなくなって…からの畳みかけで毎回死んでる。

 

 #7『あのウミネコ』、真偽は不明だが長澤が東日本大震災で亡くなった妻の代わりに夫が綴っているブログを見て作った曲らしい。そう思って聴くとしっくりくるような気がする。

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君は今どうしていて どこにいるのだろうか

素知らぬ笑顔 どこ吹く風

通勤でこのアルバム聴いてて、山道から一気に湖が見える瞬間とこの曲の大サビが重なった時引くほど泣いた。普通に運転危なかった。15の夏で不安定にさせてこれ持ってくるのは確信犯。

 

しかしコーラスが素晴らしい。ここまでコーラスに重きを置いているバンドが今どのくらいいるのか。ちなみに次作『NOW PLAYING』のコーラスは今作のそれ以上に磨かれている。

 

続くは超大作#8『ハートの破り方』

7分かけて結局「君が好きなんだ」と。境地だよもう。

 

表題曲#9『心の中の色紙』、過去を懐かしむスローテンポな#10『ランタナ』と続き#2『HAPPY BIRTHDAY』と並ぶ今作きってのおバカキラーチューン#11『Mt. ABURA BLUES』、バカカッコいい。

あの子の叫ぶ音楽が 胸を突き刺す風景が

ファッキン ファッキン ファッキン ファッキン

ファッキン ファッキン ファッキン ビューティフル

 

ここで必殺ミドルテンポな#12『さよならジージョ』、メインボーカルは小山田だが長澤が15の時に書いた曲らしい。は???とんでもなさすぎる。

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もう一度会いたいよ こんな姿を笑うかい

もう二度と会えなくても 時々振り返らせておくれよ

会いたいよ さよならジージョ

 

そしてラストを飾る#13『花束』、ここまで来ると基本放心状態。

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花束をあげるよ みんな愛してるよ

見返りなんてなくていい、俺もみんな愛してるぜ。今日の嘘も抱きしめてくれ。

 

そんなわけで

いかがだっただろうか。

どうしようもない孤独や不安ををぶつけていた彼らが今はそれらを受け入れてドン底にいながらも愛や希望といったものを純粋にそのまま歌っている。

本当に大好きで大切なアルバムになった。彼らが今も音楽を続けてくれていることに感謝と花束を。

 

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