ギターのネック折れを自力で直した話
折れた♡
エピフォンカジノ君(98年7月生まれ、韓国出身)が我が家に来たのは昨年12月のことである。学生最後の大きい買い物として勢いで買った。これは前に記事で書いている。
mizuame-wataame.hatenablog.com
その記事を書いてから僅か1か月後、4月の終わりのことだった。
社会人になっても家に帰ってはギターで遊ぶという生活が続いてたある日、いつものようにノエルギャラガーになりきっていた僕()は晩御飯を作るために一時ライブ()を中断しカジノを壁に立てかけ部屋を後にした。
晩飯も食べ終わり、さてライブ()を再開するかと部屋に戻った。
するとそこには倒れたカジノが。
「ふぁっく、、倒れてやがるぜ、、飲みすぎか?」と仰向けになっているカジノに近づくノエル、じゃなくて僕。
ん?
僕はいやだああああああああああああ
とはならなかったですよ。マジでショックな時、人って声出ないらしいですよ。
ゆっくりと無言のまま膝から崩れ落ちたからな。
即死だった。ハタチの誕生日を迎える3か月前のことだった。彼との楽しかった思い出(4カ月とちょっと)を僕は忘れない。しかしいくら悔やんだところで彼はもう戻ってこないのである。アーメン。
とりあえずこの亡骸をなんとかしなければ、韓国って土葬だっけか。まずは父に報告しよう。
僕「親父、カジノが死んだ。韓国って土葬だっけ?裏山に埋めるか」
父「ボンドでくっつけろや、もしくはどっかで直してもらえ」
なるほど。直すという選択肢もあったか。
自力で修理
お世辞にも高いギターとは言えないエピカジ、リペアしてもらおうとすると買いなおした方が安いんじゃね??みたいなのばっかでなかなか。ここは自力でやるか?
ラーメンチャーハンセット奢ればなんとかしてくれる人ことマイ親父。交渉の末、なんとか快諾してくれた(めっちゃ嫌そうだった)。
こうして自力(親父)によるギター修理が始まった。
カジノ復活プロジェクト:①接着
さて、まずはくっつけなくてはならない。色々調べるとタイトボンドという接着剤がギター修理によく用いられているらしい。素人はとりあえず従えということでこれを使うことに。赤とか青いのとかあったけど緑のやつにしました。
届いたその日に接着作業。なんか早めが良いらしいですよ。
しかしあの惨劇からすでに10日経っていた。
僕「なんか調べてたら水で薄めてとかあったんだけどさ」
父「男は黙ってベタ塗り」
もう主導権は彼だったので任せました。はみ出るくらいの量でやっとりましたよ。
はみ出た分の接着剤は濡れタオル等でふき取りましょう。早くしないと固まります。
そしてこれをクランピングします。もちろん当て木を忘れずに。ここでも接着剤がはみ出てくるのでしっかりふき取ります。
なかなかクランプは一般家庭に無いと思いますがケチらずに適切なやつ使いましょう。写真のやつ家に転がってたのだけどバカ重くて逆に負荷になんじゃねえかと怖かったわ。
タイトボンドは完全硬化まで12時間らしいですが念には念を。今回はだいたい2日間、風通しのいいとこに置いときました。
2日後、まあなんとかくっついた感じ。ちょっとズレてるかな?
そして接着部周辺を紙やすりで削っていくと、、
おおおおおおお!!!!
意外とイケるやん。ちょっとズレてるけどしっかり接着できてる。
しっかしネックが細い。こりゃちょっとの衝撃で折れるわけだ。
カジノ復活プロジェクト:②補強
あまりの接着の完成度にこのまま終わってやろうかと思ったけど色々調べると接着の甘さからまた同じところが折れるということがあるらしい。
さすがに二度も折れたら心も折れると思い補強をすることに。
面を削る方法もありましたが今回は写真のように2か所縦に掘ってそこに補強木をぶち込む方法にしました。普通に難易度高い。
寸法通りにガイド的なものを作りました(親父が)。現在特許申請中です。
嫌がってたわりには本気。ラーメンのためだったらここまでする男です。
なにその機材。良い子のみんなは慎重にやりましょう。マジで怖いこれ。ミスったら復活どころじゃないからな。
「うえ~~こえ~よ~~」って言いながらずっと写真撮ってました僕は。なるようになれよもう。
できた()
若干向こう側が見えましたがなんとか掘削作業は成功。これに補強を入れます。
僕「補強はマホガニーかハードメイプルがええな」
父「なになに、”メイプルは家具に使われています”か、なるほど。」
イス()
断捨離があるページを辞書から破り捨てた我が家にはいろんなモノが捨てられずに残っている。これは小学校の時に買ってもらった勉強机のイスです。
ここから掘ったサイズにぴったりなるよう補強材を作っていく。
削っては合わせ、削っては合わせる。慎重に。これが微妙に難しくめんどくさい。
これをまたもタイトボンドを塗ってはめ込み、クランプして接着させる。
そしてまた2日間放置後、でっぱり部分を削っていきます。
ぴったり!
強度も問題なさそうなので補強成功としましょう。
カジノ復活プロジェクト:③塗装
あえて跡を残しておくということも考えたけどここまでやったのならということで仕上げとして塗装をすることに。
黒なので黒色のラッカーをベタ塗り。
これが意外と難しい。なんか気泡とか出てくるしな。何度か塗り直しました。
ここまで来たらくっついた安堵で作業が若干適当になってたのは仕方ない。
カジノ復活プロジェクト:④そして...
4日くらい塗装に時間を喰われ、運命の弦を張る時が、、
最悪のシナリオはここでまた折れること。さすがに緊張しましたよね。
お?お?
張れたぞおおおおおおおおお
裏もこの通り。塗装の境目が丸わかりですがこれも味。
直りました
あの惨劇から1カ月以上かかったけどなんとかまた使えるまでに直せた。そしてそれから3カ月以上経った9月末現在も問題なく弾ける。
カジノ君も瀕死(というか完全に死んでた)状態から無事にハタチの誕生日も迎えることができた。
その後の部屋改造により現在は壁掛けにしてます。これで転倒リスクはない(?)
今回は修理に成功しましたが、皆様もネック折れには注意しましょう。
そして自力でやる分には自己責任でお願いします。もしくはうちの親父を貸し出します。
p.s. 今回尽力頂いた父にはちゃんと天一を奢りました。